「教科書検定意見書」専門的検討なかった。

 「専門的、各術敵観点」という文科省 、ところが、専門家がいませんでした。おどろきです。11日の衆院予算委員会で、日本共産党赤嶺政賢議員の質問で明らかになりました。今日の「しんぶん赤旗」が詳しく報道しています。
 以下「しんぶん赤旗」の報道から引用です。
赤嶺 原義書には、教科書調査官の四人の印鑑と、起案者の印があり、そして係長、専門官、企画官、課長、それから総合調整課長、そして審議官、局長の合計7人の印鑑が押されている。そのなかに調査意見書として、「日本軍によってあるいは集団自決に追い込まれた住民もあった」という部分に、「沖縄戦の実態について誤解するおそれのある表現がある」と書かれている。
 赤嶺氏は、文科省ぐるみの検定意見だったことを動かぬ証拠で暴露したのです。
赤嶺 この調査意見書というのは、調査官はじめ、文部科学省ぐるみでこういう意見をつくったということになるんですか。
金森越哉・文部省初等教育局長 調査意見書は、教科書調査官が審議会の委員と各教科科目ごとの専門委員、教科書調査官の調査結果をとりまとめ作成するものだ。中立的公平的に行われているもので、政治的、行政的意図が入り込む余地がないものだと考えている。 
 こういいのがれようとした政府。しかし、赤嶺氏は検定意見に基づく教科書審議会の審議の中身にも切り込みました。
赤嶺 大臣、専門的、学術的議論があったのか。大臣は。
渡海文科相 検定調査書を専門官が出したものについて、審議にはかって、最終的に決めた。その段階で、いわゆる意見があったかなかったのかというと、それほどなかったときいている。
 審議にはかりはしたが、意見はでなかった―。二十年もの間、意見がつかなかった歴史認識の問題で文科省が初めて意見をつけたにもかかわらず、それにたいする審議が極めて不十分だったことを認めたのです。
赤嶺 審議会や小委員会のなかに、沖縄戦の専門家はいたのか。
金森局長 沖縄戦を専門的に研究している方はいなかった。
赤嶺 専門員から事前の意見も寄せられなかった。今回の教科書検定文科省の一職員が自分の考えで意見をつくって、学術的にも専門的にも、肝心の沖縄戦を体験した沖縄の県民の検証にたえられない。学問的検証もなされないで、文科省の役人の起案で、いつまでも残るようなことが許されるのか。
福田首相 この問題については、文部科学大臣にしっかりと対応させてまいります。
 文科省の一職員の意見が検定意見となり、それを撤回もしない―この政府の姿勢を批判した赤嶺氏は、沖縄の思いをこめてこう結びました。
赤嶺 教科書検定意見の撤回を求める、記述の回復を求めるのは、政治の介入ではありません。真実を回復してくれという、やむにやまれぬ沖縄県民の要求です。その要求を聞き入れない文科省勝手につくった、その検定意見に固執することこそ政治的な介入だ。教科書に対する政治的な介入は文科省こそやっている。 

 政府の不誠実な態度は許せません。「検定意見の撤回」「教科書の記述の回復」まで、さあ、たたかいを大きく広げましょう。